CSI:科学捜査班
米CBSの「CSI: Crime Scene Investigation」(邦題:「CSI:科学捜査班」) は、ネバダ州ラスベガス市警察(LVPD)の科学捜査班(鑑識)の活躍を描いています。
科学捜査の方法や苦労の様子もわかり、鑑識結果を元にCSIメンバー自身が複数パターンの推理を組み立てていくこのドラマは、高視聴率を得て15シーズンにわたる長寿作品となりました。このドラマの影響で、科学捜査官を志す若者が増えたそうです。
CSIは警察のバッジを持った科学者の集まりで、現実では現場検証や分析を行うのが仕事なのですが、ドラマでは聞き込み、尋問、銃を持って被疑者を追う捜査などもしています。
ラスベガスは統合型リゾート(IR、Integrated Resort)がいくつもある観光地で、カジノやショービジネスなどが盛んな「眠らない街」なので、ギル・グリッソム(Gil Grissom)が率いるナイトシフト(夜番)のチームも常に複数事件を抱え、夜も昼も多忙な日々を送っています。
世界中から集まる観光客、ステージで脚光を浴びる人々、にわか金持ち、ホテル経営者などのスーパーリッチ、一般の労働者、ビジネスパーソン、近隣住民など、ありとあらゆるタイプの人々が接する場所なので、犯罪の種類も多岐にわたっています。また、結婚の手続きが簡単な場所としても知られ、周囲の砂漠は何かを隠しやすい場所でもあるため、事件の背後に隠された動機にもバリエーションがあります。
基本的にワーカホリックな頭脳派揃いのCSIメンバーですが、それぞれに悩みや事情を抱え、時に対立したり、不満を持ったりすることもあります。しかし互いにお節介は焼かず静観して、相談された時には的確な行動や言葉が出せる。理系の職場の一つの理想のように見えます。
聞き取りやすい声の俳優が多いので英語学習にも向いています。初期の字幕には大胆な意訳や省略も混ざっていますが、脳内補完しながら見るのもまた一興かと思います。
2021年10月に米国で放送が開始されたスピンオフ「CSI:ベガス」では、新たなリーダーのマキシン・ロビー(Maxine Roby)が中心となりますが、オリジナルメンバーにも後日談程度でなく、6年離れた続編とも言えるくらい、重要な役割が用意されています。